No.141 (「日中戦争」)  : 

「第2次国共合作はどのように成立したか?」

父の張作霖を日本の関東軍に暗殺された後にショウ介石を支持した張学良は、
国民党と対立する共産党の紅軍討伐を行っていたが、共産党が発表した民
族統一戦線による抗日を訴える八・一宣言に共鳴し、1936年にショウを監禁
して抗日と内戦停止を説得した。この西安事件で両党は接近し、翌37年に
蘆溝橋事件が起こると1次と異なる対等な関係の第2次国共合作が成立し
た。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

1990年まで台湾で軟禁され2001年に死去した、張学良の「狂言回し」的な
役割について、大きな関心を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:

蘆溝橋事件による日中全面戦争の開始直後、第2次国共合作が成立してい
る点に注目し、国民党と共産党が我が国を「共通の敵」として結びついた
ことを的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
リットン調査団の報告書を読み、柳条湖事件が、我が国の主張する「軍閥
張学良の犯行」ではなく「日本軍が慎重準備せられたる計画」で遂行され
た軍事行動であり、「正当なる自衛手段と認むることを得ず」と、国際連
盟の名の下に明らかにされたことを確認している。

知識・理解:
第2次国共合作の背景となった、コミンテルンの人民戦線戦術への転換や、
毛沢東が発表した八・一宣言、張学良による西安事件について、それぞれ
の因果関係を把握しつつ基本的な知識を身につけている。